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岳人連載「しぶとい山ヤになるために」 全タイトル 2008

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連載1年目内容連載2年目内容連載3年目内容岳人連載全タイトルタイトル一覧文章の誤りについて連載を楽しむために

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山岳雑誌『岳人』=マウンテニアリングセミナー

『しぶとい山ヤになるために』
 
僕の新人時代――アルパインクライマー木本哲の200日  全36回――全タイトル 2008

2007年1月号から2009年12月号まで連載予定、ただいま好評連載中! 岳人は毎月15日発売です。
ここでは執筆予定のテーマと岳人に掲載されたタイトルを紹介しています。
岳人掲載後は掲載時のタイトルのみを掲げています。

 

連載を始めるにあたって タイトル一覧 山登りを始めたころを振り返って 雑感 四年目以降のテーマ

● 岳人連載「しぶとい山ヤになるために 〜僕の新人時代〜」

著者 木本 哲
自己紹介 白夜の大岩壁から 国内の登山記録 海外の登山記録 著書・著作 映像・撮影 Satoshi Kimoto's World

●山学同志会
実は、山学同志会がどんな山岳会か知っていたら、たぶん山学同志会には決して入会しなかったのではないだろうかと思うことがある。実際、僕がやりたかったのは無雪期の岩登りであり、僕は雪山に行くことなどまったく考えていなかったのである。もちろん雪山に興味がないのだから海外登山など頭にあるわけはない。だいたい最初から歩く山には興味がなかったのである。しかし、山学同志会という山岳会の性格をまったく知らなかったからこそ僕の登山は山学同志会の性格を知ることを目的に山学同志会で山登りを始め、素直に一から登山を学び直すことができたのではないかと思う。どうやら得ることができるものは何でも貪欲に吸収しようとしていた当時の僕の考え方に山学同志会の新人養成システムや山行のシステムがぴったり合っていたようなのである。

多くの人は僕が山学同志会という山岳会のことを始めから知っていて山学同志会という山岳会に入ったと思っているようだが、実はそうではないというところが最大のミソなのである。おかげでさまざまな登山や登攀の経験を素直な気持ちで積むことになり、山行のたびに登山や登攀というものを考えることになったのである。そのときの登山や登攀から受けた衝撃と印象は今でも鮮明に残っており、この文章を構成する基となっていることは言うまでもない。登山など知らない僕がどんな具合に成長していったのかは、これらの文章を読めばきっと分かるだろうが、山はなかなか一筋縄ではいかないから、各人各様の登山を通して山そのものやそれに付随するものについて一つ一つ学んでいく必要があるのだろう。でも一つだけ忘れてはならないのは、山はどこでも死にうる場所であるということである。それは昔も今もまったく変わっていないし、これから先も変わらないだろう。

山登りを始める場合、最初にとるべき方法は二つある。自分で始めるか、あるいは誰かについて学ぶか、の二つだ。自分で学ぶ場合は手探りで始めなければならない。山は基本的には歩き通す体力があれば何とかなるという思いや歩けるだろうという思いがあるから自分一人で始める人も多い。誰かについて学ぶ場合はほとんどお任せ状態だ。ことによっては自分で考えることなどまったくしないのかもしれない。おそらくこの場合は連れて行ってくれる人が大丈夫だといえばついていくことになるだろう。前者の場合はひとたびことが起きれば自分で判断せねばならない。後者の場合はひとたびことが起きれば連れて行ってくれる人が判断してくれるが、判断の基準はその人のうちにある。おそらく彼らが太刀打ちできない状態になれば、連れて行かれる人が先に破綻することだろう。実は連れて行く人は連れて行かれる人を基準にして判断せねばならないのだが、そうすることは案外難しい。だから実は連れて行かれる方もさまざまな判断をせねばならないものなのだ。

● 2008年の執筆テーマ&タイトル  方向性に迷い始めてから山学同志会入会在籍一年目までの無雪期の登山や登攀

1月号 (13) この道でいいのか……  春山の縦走から生まれた今後の登山方向への逡巡
2月号 (14) 三つ峠での決断  一期一会の人から知った岩登りの新たな世界
3月号 (15) 新しい世界を求めて  集会の熱気の渦に巻かれ山学同志会の一員に
4月号 (16) 山学同志会での初山行  合理的で洗練された岩登り講習システム
5月号 (17) 越沢バットレス  充実した岩登りを楽しみ、学んだこと
6月号 (18) 三つ峠日帰りクライミング  山学同志会に骨を埋めてもいいと思った日
7月号 (19) 三つ峠中級岩登り講習会  納得のいく山行のための一つの関門を抜ける
8月号 (20) 山は常に学びの場である  未知の場所、条件に通用する術をどう身につけていくか
9月号 (21) 時には苦を求めることも必要である  穂高岳〜槍ヶ岳連峰縦走夏山合宿
10月号 (22) 瑞牆山十一面岩登攀  道具が生み出す新たなクライミングスタイル
11月号 (23) 一ノ倉沢烏帽子沢奥壁トリプルダイレクト  「烏帽子岩、登れるだけ」先輩に導かれた中身の濃い一日
12月号 (24) 衝立岩雲稜第一〜コップ正面壁雲表継続登攀  技術が伸びるとき志向が定まっていくとき

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●登りたい
自分の力で登りたい――。きっと誰だってそう思うだろう。でも山に登ること自体はそれほど問題ではない。普通にトレーニングすれば誰だって登れるようになる。だけど問題は死ぬってことなんだ。山はちょっとしたことで死んでしまう。躓いただけで死んでしまうのが山である。だから絶対に躓いてはならない。これって簡単なようで簡単ではない。緊張を最初から最後まで持続させるのは並大抵のことではないのだ。これに悪天や疲労が加わわっても長時間同じ精神を保たなければならないのだからかなりきつい行為だというのはすぐにわかるはずである。窮地に陥った場合の精神の破綻は肉体の破綻でもあり、そうなれば山では死が身近に迫る。こうした状況を凌ぐ力を鍛えるには経験を積み重ねるしかないが、そうした場合の山の状況と言うのは一筋縄ではいかない。いつだって窮地と言うのは自分にとって未経験のものである。それを冷静に判断してどう避ければいいか考える心の余裕が必要になる。肉体的でありながら精神的、精神的でありながら肉体的なのが登山である。もちろん登攀はもっときつい。もっときつい状況がたくさん出てくる。だからこそ難しければ難しい登山ルートの方が、登山ルートより登攀ルートの方がよほど面白いのだが……。

●いよいよ三年目に突入、ゴールが見えてきた
原稿は三年目も続けて書くことになった。実際のところ、内容を普通に書いていくとテーマを細かく区切っていくことになり、予定の二年では描ききれないのだ。それでは山学同志会在籍一年目の途中までしか描けないという事態になってしまうので僕にとってもたいへん好都合な展開なのである。今は三年間、山学同志会の一年目が終わるところ、あるいは二年目が始まるところあたりまで書いてこのシリーズを終わりにしようと思っている。そしてめでたく終えて年季が明けたら本にしたいと考えている。

当初は海外の山行も書いて欲しいという要望もいただいていたのだが、そんなことをすれば間違いなく十年は連載をしなければならない。だいたい山学同志会の二年目以降を書き始めるとその先はもちろん一年では終わらない。いずれにしろ二年目の山行に深く入りこんでしまうと中途半端な展開になってしまうので、山学同志会一年目の終了時、あるいは二年目の始めの山学同志会の年度末に合わせたちょうど区切りのいいところで連載が終わるようにする計画で書き進めるほかはないのだ。これは結局、僕が山登りを始めておそらく二百日、多くても二百十日から二百二十日くらいの日数をかけて行った登山や登攀の中から厳選した36話ということになるだろう。内容は山登りというものをまったく知らない若者が山を登り始めてから沢登り中心の埼玉谷峰山岳会を経て、岩登り中心の山学同志会という二つ目の山岳会に入り、山学同志会で初めて通り一遍、四季折々の登山や登攀を経験する在籍一年目の終わりまで、つまり僕の新人時代ともいえる時期の話を取り上げることになるので、この「しぶとい山ヤになるために」というテーマにちょうどいいのではないだろうかと考えている。

僕はこれらの山行を基礎としてさらに困難な登山や登攀を目指してきたのである。この基礎的な力をどう身につけていくか、真摯な登山を行わんと欲する者はその点をおざなりにすることはできないだろう。でも、僕は山は知っていても登山というものはまったく知らない人間だったから実はおかしなこともたくさんしているのだ。そんなことも赤裸々に書いていくつもりだが、それらのことが参考になるかどうかは分からない。そればかりは読み手の受け取り方しだいではないのかなと思う。

本日「岳人2月号」の原稿を提出して、年内の作業は終わった。残りはあと十か月というところまで進んだ。三年の連載は長いようで短いものだ。次は何を書こうかと思った最初の一、二か月の混乱が懐かしい。来年はいよいよ冬季登山・冬季登攀編を描くことになる。登る気もなかった冬山登山に出かけ、仕舞いには冬山登山というか冬季登攀にどっぷりとのめり込んでいく――。そんな冬山登山に出かけるきっかけはいったい何だったのか? あれほど嫌っていた冬山登山を始めるなんて自分でも不思議に思う。これも山学同志会に入会したばかりについた勢いというものかもしれない。でも、夏山登山に比べ、冬山登山には危険な要素が多い。それだけに、決して油断できない登山である。それは、肉体的、かつ精神的、さらに一歩踏み込んだ知的な遊びでもある――。そんな気がした。

おそらくそこに冬山の面白さを感じたのは間違いないだろう。冬山はまったく知らないけど、藪山は子どものころから地図も持たずに歩き回っていてよく知っているからね。藪山と冬山を比べるなって声が聞こえてきそうだけど、僕は両者にそれほど大きな違いを感じてはいない。ほかの人から見たらきっととてもおかしな理解不能の人間かもしれない。 12/15

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木本哲プロフィール(「白夜の大岩壁・オルカ初登頂」のページから)……公開を取りやめています
僕のビッグ・ウォール・クライミング小史……公開を取りやめています
「目次」を参照してください
しぶとい山ヤになるために=山岳雑誌「岳人」に好評連載中……登山開始から山学同志会在籍一年目までの山行で学んだこと感じたこと
自己紹介(木本哲登山および登攀歴)……山学同志会在籍一年目に培った技術を基礎として実行した初登攀〜第3登を中心にまとめた
Satoshi Kimoto's World(木本哲の登攀と登山の世界)……山学同志会在籍二年目から海外のさまざまな山や岩壁を登りに出かけた



※ 批評や批判は大歓迎――違った見方・考え方などがあればいつでも メール をお送りください。

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